新宿の超高層ビル群から少し離れた東京の都心の住宅街の中に建つ、2世帯の家族のための住宅である。
1階から屋上のテラスまで、4層分を繋げる階段がある小さなホワイエのようなスペースが中心となってこの住宅は構成されている。家族それぞれの寝室やキッチン、リビング、ダイニング、バスやトイレなど全ての部屋がこの小さなホワイエに面していて、2世帯の家族がここを介して交わりながらそれぞれ生活していく構成になっている。玄関を開けてここに入ると、誰かがどこからかドアを開けて顔をのぞかせる、そんなこの家族の風景がつくれればと考えていた。
この住宅は、300mm厚のコンクリートで囲われてできているこの小さなホワイエの頂部から傘をひろげるように薄い120mm厚のコンクリートが垂れ下がって外殻をかたち作って、地面から少し浮いて張り出しているスラブと一体になった構造になっている。そしてそれぞれの部屋は木梁で床が作られていて、家族の生活の変化に必要に応じて部屋を増やすことができるようになっている。
この小さなホワイエは、都心の密集した住宅街の路地と屋上のテラスからのパノラマの眺望を繋ぎ、そしてこの家族それぞれをも繋ぐものになってくれればと思う。
Client/ two families
Location/ Nakano-ku, Tokyo
Site area/ 76.09sqm
Built area/ 131.13sqm
Completion date/ Feb 2013
Structure/ Reinforced concrete, 3 story
Structure engineer/ Tatsumi Terado
Contractor/ Sinei
Photographer/ Fumihiko Ikemoto
Staff/ Takehito Kusanagi
クライアント/ 2世帯家族
場所/ 東京都中野区
敷地面積/ 76.09㎡
延床面積/ 131.13㎡
完成時期/ 2013.02
構造規模/ RC造3階建て
構造設計/ 寺戸巽海
施工会社/ 伸栄
撮影/ 池本史彦
担当/ 草薙岳仁