まちの企業
宇都宮の新社屋、外装の工事も概ね終わり、いよいよ作業は内装工事へ移ってきました。
来週には外部足場をバラし始め、正面の大通りへとその姿を公開する事になります。
なんとも不思議な雁行型の外観は、三角形の敷地形状の中で様々な居場所と機能をつくりだそうとする過程でうまれた、
地域と室内の均衡をとりながら形作られた屏風のような存在となってきました。
木質の部分は耐力壁、グレー色の部分は非耐力壁となっています。
現在は隠蔽されて見えませんが、非耐力壁内の柱と屋根梁の接触面には15mmのクリアランスが設けてあり、
風圧による水平荷重のみを屋根に伝える役割をもっています。
そしてこのオフィスには、囲われた部屋というものが殆どありません。
内部と外部は1枚のフラットな壁や家具によってのみ区切られているため、
ある方向から見ると裏表があり、またある方向から見るとその裏表は消失していきます。
建築がフレキシブルに可動する訳ではなく、
使う人や周辺を歩く人のポジションによって、裏表の認識が揺れ動いていきます。
地域の中で働き、地域の未来を背負って立つ。
まち繋がろうとする企業としてのそんあ姿勢が、空間にも表れてきている様に感じます。