動き
2014年8月18日カテゴリー名
こんにちは、増田です。
個人的な趣味の話になってしまいますが、山によく登ります。
「山に登る」というとよく「山登りのどのへんが面白いの?」と聞かれます。
これは本当に難しい質問で、登る人の数だけ、答えがあります。
登頂する事に意味があるという人もいれば、美しい景色に出会う事を求めたり、
危険に立ち向かう事で生きる事を実感する…という哲学的な人もいます。
私の答えはといえば、山登りはダンスやバレエのようなものだと思っています。
刻一刻と変わり続ける地形に対し、自分の手足の届く範囲の中で、いかに疲れず、かつ安全に、
そして楽しく、その状況をクリアできるか。
そんな色々な要素が凝縮されて、ある一つの体の動きがそこに現れています。
山登りが上手い人の体の動きは、本当に無駄が無く、その一連の動きに美しささえ感じてしまいます。
建物のカタチを考えるという事は言い換えてみれば、体の動きを考える、と言えるかもしれません。
自分、他人、場所、歴史、時間、ライフスタイル。
様々な要素を引き受けて出来上がる、世界にたった1つの建築空間の中には、同じように、
世界にたった1つの体の動き方…自分だけが踊れるダンスがそこにあるのだと思います。
建築のカタチによって動きが誘発される、あるいは体の動きによって建築のカタチが決まる。
ダンスパートナーのように、建築と住む人が付かず離れずの関係になれたら、
もっと建築が愛おしくなるかもしれませんね。
そんな素敵な関係を目指したいです。
増田